“暮らしの視点”を県政に!福岡県議会議員候補:とい京子

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成年後見利用支援を進めよう

 2000年(平成12年)に介護保険制度と同時に始まった成年後見制度。認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、判断能力が十分でない人の財産や権利を守り、法律面や生活面で日常の暮らしを支援する制度です。
 2010年(平成22年)3月までの総利用件数は約20万4千件。平成25年の申立件数は3万4千件余と、制度利用は着実に広がってきています。しかし制度の利用が必要と思われる人が500万人と推計されていますが、そのうちの25万人しか制度を利用していない、というのが現状でもあります。

  私の義父母は、小さな脳梗塞の繰り返しによって脳血管性認知症へと進みました。その初期の頃、二人暮らしだった義父母宅に不要な工事や商品が増えていることに気づきました。当時はまだリフォーム詐欺などという言葉もありませんでしたが、判断能力の衰えた高齢者宅を狙う業者によって、様々なローン契約を結ばされていたのです。介護保険制度の導入前のことで、まだ成年後見制度はできていませんでした。家中を探してどんな契約を結ばされているのかを調べ、弁護士に依頼をして悪質事例についてはローン会社に対する減額交渉をしてもらうなど10年以上の歳月をかけ、全部解決したのは義父母が亡くなった後でした。
 そんな経験から私は、「成年後見制度について多くの人に知ってもらいたい」「この制度を必要とする人にとって、より使いやすい制度にしたい」と思い、福岡市議時代には、自治体による成年後見制度利用支援策についてたびたび議会で提案してきました。また、市議を卒業してからのこの4年間は、各地で「成年後見制度学習会」を開催するほか、市民相談も行ってきました。

 成年後見制度が発足して10年を経過し、いくつかの改善も行われてきました。
 2013年、「成年後見人がついた人は選挙権を失う」と定めた公職選挙法は違憲、との裁判所の判断を受けて公職選挙法が改正されました。私も、主に知的障がいのある人などが「選挙に行くことを楽しみにしていたのに、後見人をつけると選挙権がなくなってしまうので、後見制度利用をためらっている」との声を聴いていましたので、まさに制度の利用者の側から勝ち取った法改正として、大変嬉しく思いました。
 2006年の信託法改正で導入された民事信託により、障がいのある人や判断能力が十分でない人が、保護者などが亡くなった後も財産が管理できるようになりました。
 また、後見人による財産の詐取などの不祥事が続いたことから、「後見制度支援信託」も始まりました。それまでは“後見される人”の財産である預貯金の通帳等の名義を、“後見人”の名義に変えなければならなかったものを、“後見される人”の財産の大半を信託銀行に預け、日常生活などに使うお金だけを預貯金として後見人が管理するものです。

 後見制度を必要とする人にとって少しでも安心でき、個人の尊厳を保持できる形に、制度を改善していくことは重要です。
 まだまだ課題はありますが、成年後見制度は、誰もが尊厳をもって生きるためには必要な制度です。後見を受ける人、家族、後見人などの当事者の声・現場の声を聴きながら、ひとつひとつ制度改善を進めるとともに、成年後見制度を必要とする人を支援する周辺事業を、地域でつくり・拡げていくことが必要だと私は考えます
 具体的には、まず以下のことを地域と自治体とで進めていくことが必要だと考えます。

 ≪制度を知る機会をつくる≫
 成年後見制度について、「聞いたことはあるけれど詳しくはわからない」「お金がかかるんじゃないか」「いつかは考えなくてはいけないかもしれないけれど、まだ切羽詰っていないので深く考えていない」「話を聞きたいけれど、学習会の会場が天神や博多駅周辺だと出掛けにくい」などという声を聞きます。そういった声に応えて、私は公民館や福祉施設を会場に、成年後見制度学習会を開いてきました。
 自分の後見を頼みたいと考えておられる高齢者自身や、高齢者の家族、障がいのある方の保護者などが参加しやすい学習会を、身近な地域でもっと開催していくこと、町内会や障がい者施設の保護者会などでも企画していくことが必要です。認知症の高齢者や障がい者が、デイサービス施設や授産所などで見守り支援を受けている間に、近くの公民館や集会所を会場に家族等が学習する機会を、もっとつくっていくことが重要だと考えます。

 ≪利用する上での相談体制を、身近な場所につくる≫
 一般的な学習を終えたら、自分と家族の場合は誰に後見を頼めばいいのか等の個別具体的な相談のできる場が必要になってきます。また、家族が後見人になることで進める場合にも、煩雑な手続きを代行したり支援したりして貰えればとても助かります。相談や利用支援は、できるだけ安価でかつ信用できることが求められます。自治体による委託や協働事業としての相談・利用支援事業を、きめ細かく展開していくことが必要です。

 ≪市民後見人の養成と法人によるバックアップ体制を整備する≫
 成年後見を必要とする人は、これからますます増えていきます。そのため後見人が不足すると予想されています。
 後見制度による支援とは、財産管理(財産に関する契約などについての助言と支援)と身上監護(日常生活に関わる契約などの支援)の二つです。“後見人”の報酬は、“後見される人”の持つ財産の範囲内(年金のみが収入および財産である人はその範囲内)で裁判所が決めます。そのため、弁護士や司法書士などの専門職による後見人だけでは、成り立たない現状があります。
 今後は、自治体等による市民後見人の養成講座の開催を増やして市民後見人を育成していくとともに、社会福祉協議会等の公的機関が「後見センター」を開設し、市民後見人をバックアップするとともに、弁護士等の専門職とも連携して後見活動を行える体制を整備していくことが必要だと考えます。

 

2015/03/18

とい京子

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