第1回「ゆるっとトーク」を開催しました

岡垣

第1回「ゆるっとトーク」を開催しました

安里 まさえ

安里 まさえ

2026.09.01

身近な植物から考える「自然環境の変化」

 

1回「ゆるっとトーク」を開催しました。

「ゆるっとトーク」は、さまざまな分野で活動している方や、ちょっと面白い経験を持っている方をゲストに迎え、お話を聞きながら、参加した皆さんと自由に語り合う場です。

何かを一方的に「教えてもらう」だけではなく、参加した人の経験や疑問も持ち寄りながら、そこから新しい気づきやつながりが生まれたら――。そんな思いで始めました。

1回のゲストスピーカーは、植物調査員の清原直子さん。

テーマは「自然環境の変化」です。

清原さんは、長年、植物や植生の調査に携わってこられました。お話は専門的な内容でありながら、私たちの身近な草木や山、田んぼなどを例に、とてもわかりやすく進んでいきました。

 

山や身近な植物に起きている変化

話題の一つになったのが、山の木々の変化です。

カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」や、管理されなくなった竹林の拡大など、私たちが普段見ている山にもさまざまな変化が起きています。

参加者からも、

「以前、山が一面茶色くなっているのを見た」

「昔はこんなに竹林が広がっていなかった」

「なぜ最近、イノシシが人里まで下りてくるのだろう」

など、実際の暮らしの中で感じてきた疑問が次々に出されました。

山の環境が変わり、木の実などの餌が減ることは、野生動物の行動にも関係します。

植物だけを見ていても自然環境の全体像はわかりません。山の木々、土、水、昆虫、野生動物、そしてそこで暮らす私たち人間。それぞれがつながっていることが、参加者とのやり取りの中から見えてきました。

 

「昔はメダカがいたね」――暮らしの記憶も大切な手がかり

話は、参加された皆さんの昔の記憶にも広がりました。

「昔は田んぼでメダカを捕っていた」

「子どもと長靴を履いて網を持って出かけた」

「ワラビやタケノコを採りに行った」

そんな思い出が次々と語られました。

専門家による調査データだけではなく、長く地域で暮らしてきた人たちが持っている「昔はこうだった」という記憶も、地域の環境の変化を知る大切な手がかりなのだと思います。

一方で、外来植物についても話が弾みました。

セイタカアワダチソウやオオキンケイギク、メリケントキンソウなど、「名前は知らなかったけれど見たことがある」という身近な植物もたくさん登場しました。

さらに、ツクシとスギナが同じ植物であることや、お正月飾りに使われるウラジロがシダ植物であることなど、身近な植物の意外な話には「へぇ~!」という声も。

普段何気なく通り過ぎている道端の草にも目を向けてみたくなる、楽しい時間になりました。

 

森林の管理と私たちの暮らし

今回、特に印象に残ったのが、山の「表土流出」のお話です。

森林が十分に管理されず、木が茂りすぎて林の中まで光が届かなくなると、下草が育ちにくくなります。さらに、シカなどによる食害も重なることで地面を覆う植物が減り、大雨の際に土が流れやすくなることがあります。

山の土が流れれば、土砂災害など私たちの暮らしにも関わってきます。

自然を守るというと、「できるだけ人の手を入れないこと」と考えがちですが、人が長く関わってきた里山では、適切に間伐するなど、人が手を入れることによって環境が保たれる側面もあります。

「自然を守ること」と「人が暮らすこと」。

どちらか一方を選ぶのではなく、どう折り合いをつけて共に暮らしていくのか。そんな問いについても、みんなで考える時間となりました。

 

岡垣の「自然」は大切な地域資源

話が進むにつれて、岡垣町のこれからについても意見が広がりました。

開発することだけが、まちの価値を高める方法ではありません。

放っておいても植物が育つ豊かな土地、山や海、田畑が身近にある環境、そこに暮らす生き物たち――。私たちにとって当たり前に見えるものが、実は岡垣町の大きな地域資源なのではないでしょうか。

自然環境を守りながら、農業や暮らし、観光、防災などとどう結びつけていくのか。

参加者の皆さんとのやり取りから、「自然環境」というテーマが、まちづくりそのものにつながっていることにも気づかされました。

 

「知ること」から始まる、新しいつながり

今回のゆるっとトークで改めて感じたのは、専門家のお話を聞くだけで終わらず、そこに参加者一人ひとりの経験が加わることで、話がどんどん豊かになっていくことでした。

「そういえば、昔は……」

「うちの庭にも生えている!」

「それはどうして?」

「岡垣ではどうなっているんだろう?」

一つの話から次の疑問が生まれ、誰かの経験がまた別の話につながっていく。

まさに「ゆるっとトーク」という名前の通り、ゆるやかに話しながら、いつの間にか自然や地域の未来について一緒に考えていました。

 

知らなかったことを知る。

誰かの経験に耳を傾ける。

そして、いつもの景色を少し違った目で見てみる。

そこから、新しいつながりや地域への関心が生まれていくのだと思います。

 

清原直子さん、そしてご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

これからも「ゆるっとトーク」では、さまざまな分野の方をお迎えし、「知ること」から始まる新しいつながりや気づきを大切にしていきたいと思います。

この記事を書いた人

安里 まさえ

安里 まさえ

岡垣町町議会議員
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